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「アロビックス外用液のAGA治療への効果とは」

2018.02.11

アロビックス外用液は、日本皮膚科学会の『男性型脱毛症診療ガイドライン』や『円形脱毛症診療ガイドライン』に記載されている「カルプロニウム塩化物」を主成分とする外用薬です。

今回は、アロビックス外用液の効果や男性型脱毛症に対してどのような作用があるのか、また、副作用や使用上の注意などを詳しく見てみましょう。

アロビックス外用液とは

アロビックス外用液の主成分カルプロニウム塩化物について

アロビックス外用液は、「カルプロニウム塩化物」を主成分とした処方薬です。1969年に販売が開始された「フロジン外用液」のジェネリック医薬品です。

日本皮膚科学会のガイドラインでは、男性型および女性型脱毛症と円形脱毛症に効果があるとされいます。ただし、推奨度はC1「行っても良い」とされ、それほど高い推奨度ではありません。その他、尋常性白斑の治療にも効果があるとされています。

ガイドラインの臨床データによるとカルプロニウム塩化物の濃度が1%・2%・5%とあり、市販の育毛剤の場合最大でカルプロニウム塩化物濃度1~2%まで、クリニックで処方してもらう場合は、カルプロニウム塩化物濃度が5%と高めになっています。

アロビックス外用液の効果と発毛のしくみ

人間の神経伝達物質の1つに「アセチルコリン」というものがあります。このアセチルコリンは、副交感神経や運動神経の末端から放出され、神経刺激を伝え、毛根などの抹消組織で神経を刺激してカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を放出させます。
カルシトニン遺伝子関連ペプチドには、血管拡張作用があります。

アロビックスに含まれるカルプロニウム塩化物には、アセチルコリンと同じ働きがあるため血管拡張作用があり、血流がよくなることで毛根の毛乳頭細胞に栄養をしっかりと送り届けて育毛を助ける効果があるとされています。

ウサギの動物実験によるとカルプロニウム塩化物の作用は、アセチルコリンの約10倍であるという報告もあるためその薄毛改善効果にも期待が持たれています。

また、アロビックスの添付文書には尋常性白斑に効果があるとされていますが、日本皮膚科学会の『尋常性白斑診療ガイドライン』には記載されていないため尋常性白斑への有効な作用は、はっきりとしていません。

さらに、カルプロニウム塩化物には、内服薬もあります。アセチルコリンと同じ作用によって副交感神経を刺激することで胃腸の動きを改善し、胃液の分泌を促して慢性胃炎や胃下垂を解消させる効果があります。

また、自律神経のバランスを整えることで弛緩性の便秘などの消化管機能改善・消化性疾患の改善などに効果があるとされています。

アロビックス外用液の男性型脱毛症への効果

アロビックス外用薬であるカルプロニウム塩化物による男性型脱毛症への効果は、ガイドラインからも推奨度がC1でさほど高くないことがわかります。アロビックス外用液は血管拡張作用によって薄毛部分の血流を改善し、栄養を行き渡らせて改善します。

しかし男性型脱毛症の場合、血流をよくするだけではなく男性ホルモンであるジヒドロテストステロンを抑えることで抜け毛を減らすことが重要となります。アロビックス外用液では、男性ホルモンに作用する効果がないこととミノキシジルの効果が絶大であることからガイドラインではやや低く評価されています。

ただし、薄毛の場合血行不良が一因であることが多いことや併用してはいけない薬がないことなどからアロビックス外用液が治療に使用されることも少なくありません。

アロビックス外用液とミノキシジル外用薬との違いは?

ここまで見てみますとアロビックス外用液の体への作用や発毛の仕組みなど男性型脱毛症に効果があるとされているミノキシジル外用薬と似ていることがお判りいただけたでしょう。

アロビックス外用液も、ミノキシジル外用薬もどちらも頭皮に塗ることで血行を促進する作用があり、また毛乳頭を活性化させて強い髪の毛を育てるという効果はほぼ同じに見えます。

しかし、アロビックス外用液の主成分であるカルプロニウム塩化物は、神経物質であるアセチルコリンと同じ作用をして血管を拡張することで血行を促進し、薄毛部分の血流を改善して栄養を行き渡らせ髪の成長を助けます。

ミノキシジル外用薬の場合は、アデノシンという物質を分泌させアデノシンによって細胞増殖因子の生成を促進されることで血管自体を増殖させて薄毛部分に新たな毛細血管を増やして頭皮の血流を改善させて発毛を促していきます。

つまり、アロビックス外用液には新しい血管を増やす作用はないためミノキシジル外用薬と比べると発毛効果がやや落ちると言えます。より強力な効果を求める人にはオススメではありませんが、人によって作用が穏やかな方が良い人や年齢的なもの、健康に不安を持っている人などには使用しやすい薬剤です。

アロビックス外用液の副作用と使用上の注意とは?

アロビックス外用液の副作用は?

アロビックス外用液、さらに成分であるカルプロニウム塩化物による副作用は、皮膚の発赤・かゆみなどの過敏症状と、アセチルコリンによって副交感神経が興奮した時のような症状が出てしまうアセチルコリン様作用があります。

アセチルコリンの副作用は、具体的には刺激痛・局所発汗・顔面紅潮・発熱・悪寒・吐き気。心悸亢進などの症状です。

また、お風呂上りや運動の後など血流が良くなっているときに使用すると副作用が強く表れてしまうことがあります。なるべくお風呂上りすぐなどには使用しないようにし、万が一副作用が現れた場合には、塗布した部位を水でよく洗い流しましょう。

アロビックス外用液の正しい使用方法

アロビックス外用液は、5%の濃度の1剤型のみとなっています。液は、鮮やかな緑色の透明な液体で独特のニオイがあるため最初は驚くかもしれません。

「おじさんのようなニオイ」や「トイレの芳香剤のようなニオイ」と感じる人が多いようなので強いニオイが苦手な人にとっては辛い治療薬と感じるかもしれません。

また、使用感としてはべたつきが気になる人が多く、この他に血流が良くなる効果から塗った部分に熱感を感じる、ヒリヒリした感じがするなどの意見も出ています。ニオイやべたつきなどの理由から、使用に抵抗を感じる人も少なくありません。

使用方法は、脱毛症や乾性脂漏の治療に使用する場合は1日2~3回患部に塗布して軽くマッサージします。また、尋常性白斑の治療に使用する場合は、1日3~4回適量を患部に塗布します。

カルプロニウム塩化物の血流を改善させる効果の持続時間が限られているため1日数回に分けて塗布した方が十分な効果が得られるためですので正しく使用しましょう。

効果については、3ヶ月~6ヶ月ほど使用して様子を見ましょう。ミノキシジル外用薬などに比べると体への作用が穏やかなため焦らず様子を見ることが大切です。

アロビックス外用液を使うのに向いている人

アロビックス外用液を使用して効果が出やすい人、使用するのに向いている人は、ホルモンがあまり関与しておらず血行不良が原因で脱毛が引き起こされた脱毛とされているストレス性の脱毛や円形脱毛症、悪性脱毛症、ひこう性脱毛症、びまん性脱毛症、壮年性脱毛症、症候性脱毛症などがあげられます。

アロビックスによる効果は穏やかで身体への負担は少ないとされているため男性と同じ治療薬では制限の出やすい女性・心臓病などを患っている人・高齢者でも使用することができます。また、円形脱毛症を発症してしまった子供にも使用することができます。

アロビックス外用液を使えない人

アロビックスの成分や薬物に対して過敏症状が現れたことのある人は、使用する際注意が必要です。

また、高齢者が使用する場合は、生理機能が低下しているためアロビックス外用液の添付文書には使用の際、減量するように注意する添記載があります。

さらに、気管支ぜんそくや消化器官に海洋がある人・甲状腺機能亢進症・てんかん・パーキンソン病・重篤な心臓病を患っている人などは使用してはいけません。

アロビックス外用液を手に入れるには?薬代はどれくらい?

ジェネリック医薬品であるアロビックス外用液は、保険対象になるため安価に利用することが可能でそこも魅力の一つだと言えます。

カルプロニウム塩化物を含んだ正規薬品のフロジン外用液で1ml当たり30.30円、アロビックス外用液だと1ml当たり12.30円となります。1本あたり30mlの場合、フロジン外用液だと1本909円、アロビックス外用液では1本369円とかなりやすく購入ができます。

さらに保険が適用されるためアロビックス外用液の場合3割負担だと110.7円で済む計算になります。現在、フロジン外用液を取り扱っているところはほとんどないためカルプロニウム塩化物が含まれた外用薬を処方してもらう場合は、アロビックス外用液を処方してもらうことになります。

また、市販されている育毛剤の中では唯一、第一三共から販売されているカロヤンシリーズにカルプロニウム塩化物の濃度は1~2%と低濃度ですが含まれています。こちらは、薬局やドラッグストアー、インターネットなどで簡単に手に入ります。

しかし、濃度が低く、同じ容量で見た場合の価格も高くなってしまうのでカルプロニウム塩化物の外用薬を使用して薄毛を改善したいと思うのであれば、クリニックに相談してアロビックス外用液を処方してもらう方が費用はかからないでしょう。

他に個人輸入代行サイトなどから安く手に入れることも可能です。しかし、副作用があまりないとは言っても医薬品です。自己判断での使用は、できるだけ避けた方がいいでしょう。

さらに、クリニックから処方してもらい保険を使って購入する方が価格としては、同じくらいか、安いこともあります。個人輸入の場合、他の成分が混入している可能性もあります。もし購入する場合は、自己責任ということになります。十分注意して購入・使用をしてください。

アロビックス外用液と他の治療薬との併用について

アロビックス外用液による育毛効果をより感じるために他の治療薬と併用するのは可能なのでしょうか。

外用薬ですので他の外用薬や育毛剤と併用することは避けた方がいいです。理由としては、どれも単体での使用を前提として作られた製品であるため含まれている成分同士が作用を阻害しあってしまう可能性・吸収率を落としてしまう可能性があるからです。

さらに、アロビックス外用液の血管拡張作用と同じ効果のある薬剤の場合は、身体への作用が重複してしまう可能性がないとは言い切れません。

実際、禁忌とはされていませんが、トウキエキス・エビネエキス・チョウジエキス・アルニカ花エキスなどはもちろんAGA治療に効果のあるミノキシジルは、身体に強い効果がありますので併用は控えた方が安心でしょう。

もしも薬を併用するのであれば、同じ外用薬の併用ではなく内服薬を併用する方が効果を期待できます。ミノキシジルタブレットの場合は、どちらも血管に作用するため避けた方が安心ですがデュタステリドやフィナステリド成分の内服薬の場合は、5αリダクターゼを抑制して抜け毛を減らし、男性型脱毛症の進行を抑える効果があります。

抜け毛を減らしてアロビックス外用液によって頭皮の血流を促し、発毛を促すというスタイルなのでアロビックス外用液を効果的に使用できます。

しかし、この形での併用の場合、日本皮膚科学会ではミノキシジル外用薬との併用を推奨しています。ミノキシジル外用薬と比べると発毛効果は、落ちると考えておいた方がいいでしょう。

まとめ

市販育毛剤にも使われる成分が含まれたアロビックス外用液についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。アロビックス外用液は、脱毛症への効果が高いとは決して言えません。

しかし、身体への作用が穏やかであるため健康に不安のある人でも使用できるという位置づけで男性型脱毛症をはじめ薄毛に悩みながら健康などほかの面で悩んでいる人にとってありがたい薬剤だと言うことができます。

また、保険診療対象なので金銭的な負担も軽く済むのもメリットで広く使用されている理由なのでしょう。

発毛効果の強さばかりを求めて、健康を害してしまっては元も子もありません。自分の身体と向き合い、自分にとって最適な治療方法を見つけていくことが一番です。そのためにもぜひクリニックへ相談することをオススメします。