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「ミノキシジルの効果」

2018.01.31

AGA(男性型脱毛症)の治療薬として多くのクリニックで使用されているのが、ミノキシジルという治療薬です。日本でも比較的、認知度が高いのではないでしょうか。

ミノキシジルは、高い発毛効果を持っており生え際やM字部分、頭頂部にも効果があるとされています。

今回は、そんなミノキシジルの効果や副作用について、詳しく説明していきます。

AGA(男性型脱毛症)について

まずは、AGAについてしっかりと理解しましょう。AGAとは、andorogenetic alopeciaの略で思春期以降に発症する男性型脱毛症です。薄毛で悩む男性の90%以上がAGAだとされており、現代の日本人男性でAGAが発症する確率は全年齢平均で30%、20代男性の場合は10%、30代男性の場合は20%と年齢があがるとともに割合が増える進行性の脱毛症です。

特徴的な症状としては、
・頭頂部が薄くなっていくO型脱毛症
・生え際が後退していくM字脱毛症
・M型とO型が合わさった複合型脱毛症
の3つの症状があります。

女性の薄毛にも「女性男性型脱毛症(Femwomanale Androgenetic Alopecia=FAGA)」と呼ばれるものがあり、近年FAGAで悩む女性は増加してきています。FAGAの症状はAGAとは異なり全体的に薄毛になる、ボリュームがなくなっていきます。

AGAの脱け毛の仕組み

AGAは、男性ホルモンに含まれるテストステロンの影響が原因とされています。テストステロンが頭皮などに存在する5αリダクターゼと結合して、ジヒドロテストステロンに変化します。

ジヒドロテストステロン(DHT)は、男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)と結合することでTGF-βというタンパク質を生成し、毛母細胞の分裂を抑制して髪の成長期間やサイクルを狂わせ抜け毛の原因となっているのです。

生え際や頭頂部は、5αリダクターゼの影響が大きい部分なため症状が出やすい部分です。さらに血流が悪くなりやすい、血管が細く少ないなどの理由から栄養素がうまく行き渡っておらず、髪がさらに成長できず薄毛が進んでしまいます。

女性男性型脱毛症であるFAGAも男性ホルモンの影響が原因とされています。加齢により、40歳を過ぎたくらい~更年期以降になると女性ホルモンが減少することで男性ホルモンが優位になって、影響を受けやすくなっていきます。

また、若い女性の場合は、生活習慣や食生活の乱れ・無理なダイエット・過剰なストレスなどによってホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンの影響を受けやすくなってしまうとFAGAになってしまうことがあります。

ミノキシジルはどのようにAGAに効果があるのか?

ミノキシジルとは

ミノキシジルは、アメリカのファイザー製薬によって高血圧の人の治療薬として開発された血管拡張剤です。副作用として体毛が増加する症状がみられたことから発毛に効果があるのではと研究され、薄毛治療薬として使われることになりました。

現在では、AGAに効果がある成分として世界90か国以上で承認されており、日本でも日本皮膚科学会の脱毛症診療ガイドラインで推奨されています。

ミノキシジルは、液剤を頭皮に塗る外用薬と内服するタブレットの2種類の使い方があります。

ミノキシジルが発毛を促すメカニズムは?

ミノキシジルが発毛を促すのはなぜなのでしょう?ミノキシジルは、血管を拡張させて高血圧を治療します。血管を拡張させて髪を強くする効果があります。

また、毛母細胞に直接働きかけることで毛母細胞の活動を活発にし、アデノシンを分泌させる作用もあります。アデノシンとは、薄毛の改善に必要な成長因子の生成を促進させる物質です。AGAに効果的な成長因子としては、ケラチン細胞増殖因子(KGF)や血管内皮細胞増殖因子(VEGF)などの生成が促進されます。

インターネットでAGAやミノキシジルについて調べるとさまざまな成長因子や成分の名前がカタカナやアルファベットで書かれていて混乱するかもしれません。ここでは、髪の成長に重要なものをピックアップして詳しく説明していきます。

ケラチン細胞増殖因子(KGF)は、発毛成長因子(FGF-7)とも呼ばれ、髪の毛の90%以上を構成しているケラチンを生成を促進させ髪の成長を促して薄毛を解消させます。

血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は血管がないところに新たに血管を作る作用や血流を改善する作用があります。血管が細くて少ない生え際部分などの血流を促進させ、細くて弱くなっている髪の毛に栄養を行き渡らせます。

ミノキシジルを使用することでアデノシンを分泌して髪の成長因子を増やして発毛できる力を取り戻し、さらに、血流を改善して髪を丈夫に育てる効果を得ることができます。

ミノキシジルが配合された育毛剤として有名なリアップX5プラスの発毛データによると52週に渡る長期使用で97.8%以上の人の薄毛が解消したという結果が出ており、長く継続することで改善の度合いが高まるという医師の評価もあります。

さらに、日本皮膚科学会による脱毛症診療ガイドラインでも、ミノキシジルの推奨度は「行うよう強く勧める」という分類となっています。

ミノキシジル外用薬の使い方や副作用は?

ミノキシジル外用薬の正しい使い方

外用薬の場合は、1日2回、薄毛の気になる生え際や頭頂部に塗布します。育毛ローション、フォーム、ゲルなど様々な形がありますが、髪の毛ではなく頭皮につけて浸透させましょう。

浸透させる必要がありますので塗布してすぐに洗い流してはいけません。また、頭皮が清潔な状態じゃないと毛穴が詰まっていては効果を実感することができなくなります。シャンプーをして頭皮を清潔にしてから外用薬を塗布し、浸透させてください。

日本皮膚科学会による男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版によるとミノキシジル外用薬の比較試験において、男性被験者は24週までに平均20.90本、女性被験者は24~32週に、平均で13.18本増加したという結果が出ています。

少なくとも4ヶ月以上は使用して様子を見ましょう。

ミノキシジル外用薬の濃度について

ミノキシジルの濃度は1%から、海外のものも含めると30%までと幅広くあります。クリニック処方の場合は7%~15%まで、国内市販の育毛剤だと5%までとなっています。日本皮膚科学会のガイドラインでは、男性には5%、女性には1%での使用を推奨しています。

ミノキシジルの濃度が高ければ効果が高いのか?というと一概にそうとは言えません。濃度が高いということは、副作用も起こりやすく頭皮が荒れることで逆に抜け毛になってしまう可能性もあります。

また、ミノキシジルは、濃度が高くなるとべたつく性質や独特なニオイがあります。最初から高濃度のものを使うのではなく、低い濃度のものから少しずつ上げていくといいでしょう。

ミノキシジル外用薬で起こる副作用は?

ミノキシジル外用薬は、かゆみやかぶれ・発疹・紅斑・落屑・毛包炎・顔面の多毛などが副作用としてあげられます。効果を早く感じたいからといって過剰に塗布してしまうと副作用の可能性が高くなりますので用法・容量を守って使用しましょう。気になる箇所に1mg塗布するのがベストです。

ミノキシジル内服薬の使い方と副作用は?

ミノキシジル内服薬の正しい服用方法は?

ミノキシジル内用薬は、ミノキシジルの成分が血液に溶け込み生え際などの発毛しにくい部分にも内側から効果を発揮してくれます。内服するミノキシジルは市販されていません。

2.5mgの錠剤と5mg、10mgの3つの濃度の錠剤があり、1日1~2回、1日の服用量は最大10mg目安にして処方されることがほとんどです。

最初は、2.5mgの低い濃度で様子を見て徐々に濃度をあげていく方法が多く行われています。

ミノキシジル内服薬で起こる副作用とは?

内服薬の場合、外用薬とは違って発毛の効果が高い分強い副作用があります。外用薬は頭皮に塗布することで頭皮の副作用がほとんどですが、内服薬は体内から全身に成分が吸収されるため全身症状の副作用が出やすいとされています。

もともと高血圧の治療薬ですので血圧が下がるケースがあります。ほかに降圧剤を服用している方や、血圧に疾患を持っている方は服用できません。

さらに、血圧が下がることによって頭痛・めまい・ふらつき・倦怠感などを感じる場合があります。その他に不整脈・動悸・かすみ目・手足のしびれ・性欲減退・体重増加などもあげられています。

薄毛が気になって育毛剤では物足りない、どうしても使ってみたい、という人でも、個人輸入などを利用して自己判断で手に入れてから不安になってしまうことが多々あります。知識をしっかりと持ったクリニックに相談することが望ましいでしょう。

副作用と言っていいのか難しいところですが、ミノキシジル内服薬を服用した場合、『初期脱毛』という現象が起こることがあります。初期脱毛は人によって個人差はありますが、使い始めて2週間から1ヶ月程度から始まり1か月ほどで治まるとされています。

現在生えている弱い髪の毛や成長が止まった髪の毛が抜け落ちて、強く太い髪が新しく生えてくるための一時的なものです。不安を感じることもあるかもしれませんが、効果が出ている証拠だと思って耐えましょう。

ミノキシジル内服薬を使ってはいけない人

ミノキシジルは、本来高血圧を治療するための薬です。元から高血圧の薬である降圧剤を飲んでいる場合は、医師や薬剤師に相談する必要があります。

血流が良くなるため心臓に負担がかかることもあります。心疾患を持っている場合は服用をあきらめましょう。薬は、肝臓や腎臓で分解されていますので肝臓や腎臓に障害がある方、特に人工透析を受けている方は使用をしないでください。また、低血圧の方はより血圧が下がってしまい危険ですので、使用をしないようにします。

AGAが思春期以降発症とは言っても未成年の服用は避けましょう。初期や軽度の薄毛症状の方も避けた方がいいでしょう。

女性も服用しないようにしましょう。外用薬でも濃度1%を推奨されている女性にとって、内服薬は濃度が高く効果が強く出すぎてしまいます。また妊娠中の方は、赤ちゃんに影響を及ぼす可能性が高くなってしまいます。絶対に服用しないようにしましょう。女性のFAGA治療には、ホルモンバランスを整えたり、プラセンタなどの使用をオススメします。

気になる部分別ミノキシジルの効果を比較

AGA治療に効果があるとされているミノキシジルですが、気になる部分や体質などによっては、効果を感じにくい場合があります。

頭頂部(O型脱毛)の場合

ミノキシジルの効果が最も出やすいとされている部分です。頭頂部は薄毛の原因が血行不良であることが多いためミノキシジルによって血流をよくして栄養を行き渡らせ、育毛を促進することができます。

効果があまり感じられない場合の原因としては、血行不良が原因ではない・ミノキシジルの濃度が低い・塗布の仕方が正しくないという3つが考えられます。クリニックに相談することをオススメします。

生え際(M字型脱毛)の場合

こちらは、なかなか効果が出にくいとされている部分です。その原因としては、生え際の頭皮が硬くなりやすいためミノキシジルが浸透しにくいことがあげられます。

また、ミノキシジルは発毛を促進する作用はありますが、脱毛を抑えることはできません。
生え際には、脱毛の原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)を作り出す5αリダクターゼの影響を受けやすい部分なため発毛よりも強く脱毛症状が出てしまい、効果を実感しにくいのです。

5αリダクターゼを抑える作用のあるものを併用する・ミノキシジルの濃度をあげる・ミノキシジル内服薬を使うなどによって効果を感じられるでしょう。

前頭部の場合

前頭部は、血行不良も原因ですが5αリダクターゼの中でも特に強く薄毛の影響を与える2型5αリダクターゼが分泌される部分なため、生え際と同じように効果を感じにくい部分といえます。

2型5αリダクターゼを抑えるために他の成分も合わせて処方してもらう・ミノキシジルの濃度をあげる・ミノキシジルを内服するという3つの方法で効果を感じることができるでしょう。

まとめ

AGA治療に効果的な、ミノキシジルについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。ミノキシジルは、発毛効果が世界で認められている医薬品です。

しかし、人によって効果が出にくい場合があったり、体質に合わない場合があったりします。ミノキシジルが効果があるとされてからもAGA治療の研究は、日々進化しています。

もし、効果がなかったとしても新しい薬がどんどん開発されてきていますので落ち込むことはありません。クリニックでのカウンセリングと治療で自分にあった治療法を見つけて、AGA対策をしていきましょう。